カナダの健康保険制度について調べてみた!

カナダ生活

Tomo

2023年2月8日

病院の写真

もうすぐカナダのビザが取れるというのもあって、改めてカナダの健康保険制度について調べてみました。
アメリカなんかだと国民皆保険制度がないから医療費が膨大にかかるとかよく海外ドラマとかでみますね。
カナダはアメリカと違って国民皆保険制度があります。
今回はBC州を中心に他の州や日本との違い、学生やワーホリ生が保険に入れるかなどもまとめてみました。それぞれ長くなっていますので、必要なところを読んでください。
ちなみに、カナダは国民皆保険制度がありますが、民間の保険に入っている人(会社負担だったり)している人がほとんどです。今回はカナダでイフとしての健康保険制度について解説しています。

カナダも国民皆保険制度 医療費は無料

カナダも日本と同様に国の医療保障に国民皆保険制度を採用しています。国民皆保険制度とは、すべての国民がなんらかの医療保険に加入し、けがや病気の際に医療給付が受けられる状態にあるようにする制度のことです。
カナダ市民や永住権保持者は加入が義務となっています。といっても日本と違い保険料がかからないです。

日本との違い

日本では、治療にかかった費用の3割(年齢によって1〜2割)を自身で負担し、残りを保険でカバーします。
カナダでは医療費負担はありません。
また、 日本では妊娠・出産などは適用外ですが、カナダでは妊娠・出産費用はカバーされます。
逆に、日本では歯科治療、リハビリなどは適用されますが、カナダではこれらは適用されません。

カナダで歯科治療が含まれないのは少し驚きました。
また、州によって管理されているので、州によって若干内容が異なります
日本と違い基本的には保険料が無料です。
主要な州のそれぞれの内容を見ていきたいと思います。

BC州 MSP(Medical Service Plan)

BC州の保険制度はMSP(Medical Service Plan)と言います。基本的に保険料は無料です。
6ヶ月以上滞在する学生ビザ保持者も加入が義務となっているようです。しかし学生ビザだと保険料がかかります。(カナダってインターナショナル学生からお金めっちゃ吸い取るよね)笑

加入条件

  • BC州の居住者であること。
    居住者とは、以下の条件をすべて満たす人のこと。
    • カナダの市民、または永住権を得るために合法的にカナダに入国した人。
    • B.C.に住居を構えている。
    • 1年のうち6ヶ月以上B.C.に物理的に滞在している。
      ※適格なBC居住者(カナダ市民または永住を目的として合法的にカナダに入国した者)が、休暇のみを目的としてBC州外に滞在する場合、1暦年で合計7ヶ月までの不在が認められる。
  • 下記の条件のいずれかがあること
    • カナダの市民権、又は永住権がある
    • MSP受給者の扶養家族
      上記のようにBC州の住民であれば、保険に加入できる。扶養家族には、配偶者、子供、扶養している中等教育後の学生などが含まれる。
    • 6か月以上有効な学生ビザもしくは就労ビザを持っている
      ワーキングホリデーで渡航されている方でも、週18時間以上働く場合に加入できます。申請の際にビザのアップロードと合わせて、勤務開始日、勤務終了日、勤務時間が記載された雇用主からのレターのアップロードも必要となります。くわしくはこちら
      ※学生ビザの保険料は月75ドルです。

MSPでカバーされるもの

  • 医師による診察費、治療費
  • 医師が必要と認める妊娠、出産に関わる費用
  • 医師の指示による検査費用(X線検査など)
  • 歯科、口腔外科手術で、病院での手術が必要なもの
  • 医学的に必要な眼科検査
  • 一部の歯列矯正サービス

MSPでカバーされないもの

  • 処方薬費用
  • 歯科治療費 ただし、給付金の項目に記載されているものを除く。
  • 医師の指示でない検査費用
    スクリーニング検査(例えば、年1回の定期的な「完全」健康診断、全身CTスキャン、前立腺特異抗原(PSA)検査など)
  • 19歳から64歳までの定期眼科検診
  • 美容整形など、医学的に必要とされないと判断されるサービス
  • 眼鏡、補聴器、およびその他の機器や器具
  • 鍼治療、カイロプラクティック、マッサージ療法、自然療法、理学療法、および外科的処置を伴わない足病学サービス(補足給付を受ける MSP 受給者を除く)
  • カウンセラーまたは心理学者のサービス
  • 以下のために必要な医療検査、証明書、またはテスト
    自動車の運転、雇用、生命保険、学校または大学、レクリエーションやスポーツ活動、移民目的

オンタリオ州 OHIP (Ontario Health Insurance Plan)

学生ビザや就労ビザ保持者も加入できます。

加入条件

  • ON州の居住者である
  • 1年の153日以上ON州に居住すること                    
  • ON州に住み始めてから最初の183日のうち153日以上ON州に居住すること    
  • 下記追加要件のうち少なくとも1つを満たしている
    • カナダ国民である
    • 永住権がある
    • カナダでの永住権を申請中である
      (移民局の申請条件を満たしている、又は却下されていないこと)
    • 先住民である
    • ON州の雇用者のもとでフルタイムで最低6ヶ月以上働ける就労ビザを保持している
      ※又はその扶養家族
    • ON州の(Live-in Caregiver Programに)リブインケアギバー・プログラムに基づき就労ビザを保持している
    • 条約難民またはその他の保護対象者である(カナダ移民・難民局によって定義されている)。
    • 特定のケースの一時居住許可証を持っている人
    • カナダに合法的に滞在することができ、少なくとも6ヶ月間オンタリオ州でフルタイムで奉仕する予定の聖職者
      ※配偶者と扶養家族もOHIPの対象となる可能性があります。

OHIPでカバーされるもの

  • 医師による診察
  • 病院での診察と入院
    • 医師と看護師のサービス
    • 病気の診断サービス(血液検査やレントゲン撮影など)
    • 入院中の患者のための薬(患者が退院した後は、処方された薬はカバーされません。)
    • 外来患者用の一部の薬(外来患者には自宅用に限られた薬が提供されます。)
    • 宿泊施設と食事(宿泊が必要な場合)
      個室または半個室を希望される場合、入院費の一部または全額をご自身またはご自身の保険で負担していただきます。
    • 治療に必要な検査(入院が必要な場合は部屋代や食事代も含む)
  • 医学的または外科的中絶
    中絶手術や中絶のための薬
  • 骨折治療、腫瘍除去、再建手術、抜歯(抜歯は前もってOHIPから承認を得る必要あり
  • 1年に1度の視力検査(19歳以下、又は65歳以上が対象、20歳〜64歳は条件あり)
  • 足病学(足の健康サービス)(足病治療、1年に$135以内+レントゲン($30)をカバー)
    OHIPは、登録された足病医への訪問ごとに7〜16ドル、患者一人当たり年間135ドル、さらにレントゲン撮影に30ドルを負担します。各訪問の残りの費用は自己負担となります。
    足病医が行う手術は、OHIPによってカバーされていません。
  • 救急車の費用(一部、若しくは費用の全てをカバー)
  • インフルエンザの注射
  • 地域の研究室または病院での臨床検査
  • 病院での歯科手術
  • 検眼(目の健康管理)サービス
  • 足病学(足の健康サービス)
  • オンタリオ州北部にお住まいの方は、医療サービスのための旅行が可能です。
  • 医者にかかる場合も、ウォークインクリニックで診察を受ける場合も、医療上必要なサービスであれば、OHIPはその費用を全額負担してくれます。

OHIPでカバーされないもの

  • 病院以外で処方される薬(例:かかりつけの医師が処方する抗生物質など)
  • 歯科医院で行われる歯科治療
  • メガネやコンタクトレンズ
  • レーザー眼科手術
  • 美容整形手術
  • 差額ベッド

アルバータ州 Alberta Health Care Insurance Plan(AHCIP)

アルバータ州でもワーキングホリデービザで条件を満たせば加入できます。また、アルバータ州は他の州と違い、保険が適用される範囲が広いです。

加入条件

  • 下記条件をすべて満たす人
    • カナダに入国・滞在する法的資格があり、アルバータ州に永住権を持つ。
    • 12ヶ月のうち183日以上アルバータ州に滞在することが確定している。
    • 他の州、準州、または国の居住権を主張したり、居住権に基づいて給付を受けたりしていないこと。
  • 一時居住者。下記条件のいずれか
    • 12ヶ月の就学許可証(アルバータ州の教育機関で有効)を持ち、アルバータ州に12ヶ月以上居住する学生
    • 最低でも6ヶ月以上の有効な就労ビザを持ち、アルバータ州に12ヶ月以上滞在する予定の人
      ワーホリでも上記を満たせば加入可能です。

AHCIPでカバーされるもの

  • 医師が提供する医学的に必要なサービス
  • 精神科医の診察
  • 放射線などの医学的に必要な診断サービス
  • 口腔顎顔面外科手術
  • Weight Wiseプログラムの対象となるアルバータ州民のための肥満手術
    肥満手術の資格とウェイト・ワイズ・プログラムについては、こちらをご覧ください。
  • トランスジェンダーのための豊胸手術と乳房切除手術
    アルバータ州の性別再確認手術プログラムによる乳房手術を受けるには、患者の適格性を判断し、承認される必要があります。
  • 病院での診察と入院(下記)
    • 医学的に必要な看護サービス
    • 医学的に必要な検査、X線、診断のための処置
    • 標準的なレベルの宿泊施設と食事
    • 病院内で投与される薬
    • 手術室、介護室、放射線治療、理学療法、麻酔施設の利用
    • 通常の手術用機器および消耗品
    • アルバータ州内での救急車による施設間移送

一部カバーされるもの

  • 視力検査
    18歳以下の子供と65歳以上の高齢者は、給付年度(7月1日~6月30日)ごとに、視力検査1回、部分検査1回、診断処置1回を受けることができます。
  • 検眼医によるいくつかの特定の病状に対する治療
  • 19歳から65歳までの人で、外傷、病状または病気により、検眼医が医学的に必要と判断した眼科検査
  • 低・中所得の高齢者は、高齢者歯科・眼鏡支援プログラムにより、一部の給付を受けることができる場合があります。
  • 特定の歯科、口腔、顎顔面外科サービスが一部カバーされます。
  • 足病学(フットケア)
    給付年度(7月1日~6月30日)あたり250ドルを上限として部分的に保険が適用されます。
  • 一部の足病医学サービスはAHCIPでカバーされますが、アルバータ州外ではカバーされません。

AHCIPでカバーされないもの

  • 美容整形、精管切除術、腹部形成術(タミー・タック)など、医学的に必要とされない手術。
  • 医師以外による医療サービス(カイロプラクター、鍼灸師、マッサージセラピスト、ホメオパス、栄養士、心理学者、医師助手、ナースプラクティショナーなど)
  • 19歳から64歳までの居住者の定期的な眼科検査、屈折矯正レーザー眼科手術、眼鏡、コンタクトレンズなどの視力保護ケア
  • クリーニング、詰め物、親知らずの抜歯などの定期的な歯科治療サービス
  • 入れ歯
  • 病院以外の場所で提供される処方薬
  • 旅行目的の予防接種と一部の予防接種
  • 不妊治療や体外受精を含む生殖補助医療技術
  • 雇用、保険、スポーツのための健康診断など、第三者から依頼された健康サービス
  • 臨床心理士サービス
  • 運転手の健康診断
  • 個室および半個室の病室(医学的に必要な場合を除く)
  • 救急車サービス(施設間移送を除く)
  • AHCIPでカバーされないサービスのための麻酔料金
  • 実験的な処置、または臨床試験中の処置
  • 補聴器、医療・外科用器具、補綴物、消耗品、移動装置など。

無料だけど、待ち時間が長い!医療はカナダの問題!

こうしてみるとカナダめっちゃいいじゃんって思うかもしれませんが、カナダの医療はすっごく遅いです。
緊急外来に行ったとしてもめちゃくちゃ待つらしいです。行ったことないのでわかりませんが、同僚がけっこうやばい怪我した時もすぐに見てもらえなかったって話してました。
旦那も骨折したとき、すぐに見てもらえなかったみたいです。
妊娠出産の際も、検診が少なかったり、出産後にすぐ退院させられたりするみたいです。帝王切開した知り合いが、3日で出されたって言ってました。ちなみに通常分娩だと次の日。

簡単に受診ができなかったり、待ち時間が長かったりするので、カナダの医療事情に不安を抱えている人は多いです。
幸い私は健康体なので、病院にいくことは滅多にないのですが、もし何あったとき不安ですね。
働く側としてはいいみたいですけど、患者としては、、、

まとめ

それぞれの州のサイトを見比べたのですけど、BC州のサイトが一番わかりにくいですね!!笑
もっとシンプルに簡潔でわかりやすくしてほしいものです。
BC州に拠点を構えているエージェントさんとかはこれを頑張って読み解いているのかと思うとすごいと思います。
医療事情については、ほんとうに不安です。こどもができた時とか心配。子供は結構優先して見てもらえるみたいですが、それでも。
待ち時間長いのはなぜなんでしょうか。そもそも待ち時間が長いのは医療だけではないですが。
アルバータ州に関しては医療のカバー範囲が広いのは驚きでした。アルバータは税金の面でも住みやすそうではある。しかし冬の極寒に耐えられるかどうかが問題です。
税金についてはこちら